治療内容

新がんワクチン療法（DCneo）
当クリニックが専門とする”樹状細胞ワクチン″は、この特異的がん免疫療法の一つである”がんワクチン療法”に、さらに自己の免疫細胞を用いることによってより確実にがん細胞に作用するよう進化させた「がん免疫療法」として、世界中で研究が行われています。そして2010年、前立腺がんに対する樹状細胞ワクチンによる延命効果が明確に証明され（**）、樹状細胞ワクチンが米国で認可されました。
(**)Philip W, et al. N Engl J Med 2010; 363:411-422.
 このように、がん免疫療法「樹状細胞ワクチン」は、第4のがん治療としてのエビデンス確立に向け、より新しい時代に入っているといえます。

樹状細胞ワクチンは、正常細胞に影響なく、がん細胞だけに特異的に作用することに加え、さらに自分自身の免疫細胞を用いてワクチンを作ることから、従来の抗がん剤のような重い副作用の心配がなく、QOL（生活の質）を維持しながらがん治療を行うことができるという特徴が挙げられます。

樹状（じゅじょう）細胞とは、体内にもともと存在している枝のような突起（樹状突起）を持つ細胞です。
最近まで、どのような役割を持った細胞なのか分かっていませんでしたが、実は「がんに対する免疫の要（かなめ）」として、次のような非常に重要な働きを普段から担っている免疫細胞であることが分かってきました。

1. 1. 1. からだの中にいるがん細胞を見つけ出す
      2. がん細胞の目印（抗原）を正確に認識する
      3. 認識した情報を、周りにいるリンパ球を中心とした免疫細胞に知らせ、がん細胞を攻撃するよう命令を出す

      樹状細胞は、がんの目印を最初に体内で認識し、その情報を免疫細胞であるリンパ球に伝える役割を担っています。
      樹状細胞の元となる細胞（単球）を体外にとりだし、樹状細胞へ育て、この樹状細胞に「がんの目印」をあらかじめ認識させておいて、これをワクチンとして注射して再び体内に戻すという治療法が注目されてきました。
      これが、当クリニックが専門とする樹状細胞を用いたがんワクチン療法の「樹状細胞ワクチン」です。